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AKROSでの人事評価制度と技術カリキュラム構築を通じて感じたこと

こんにちは!社会保険労務士の髪西です!

今回は、AKROSで人事評価制度と技術カリキュラムの構築に携わる中で、美容業界特有の課題や現場のリアルに直面しました。その中で感じたこと、得た学び、そして制度を構築する意義についてお伝えしたいと思います。


なぜ制度構築が必要だったのか?

AKROSは業界屈指の技術力と人気を誇るサロンですが、アシスタント教育や評価の仕組みには長年の課題がありました。特に感じたのは次の点です

評価基準の不透明さ:店長やスタイリストごとに基準が異なり、アシスタントが「何をすれば合格なのか」が分からない状況。

キャリアの見えにくさ:アシスタントが「将来どんな美容師になれるのか」がイメージしにくい環境。

個別指導の限界:現場が忙しい中、マンツーマンで技術指導をする時間が限られること。


この状況を改善しなければ、優秀な人材が育たないだけでなく、スタッフの離職リスクも高まります。

「一人ひとりが自分の成長を実感でき、かつ安心してキャリアを描ける仕組みを作る」

──これが制度構築の出発点でした。


制度構築のプロセスで意識したこと

1. 評価の「見える化」

技術評価基準を統一し、アシスタント自身が記帳・管理できるシステムを導入しました。この仕組みによって、「自分が今どの段階にいるのか」「次に何を習得すればよいのか」が一目で分かるようになりました。

2. 将来像の明確化

「生涯美容師」としてのキャリアパスを具体化しました。たとえば、スタイリストや店長を経て独立開業する道、またはAKROSグループ内で技術責任者として活躍する道など、多様な選択肢を提示しました。これにより、アシスタントたちが自分の未来に希望を持ちながら働ける環境が整いました。

3. 現場との連携

現場で働く店長やスタイリストからの意見を積極的に取り入れました。特にカリキュラムに関しては、実際のサロンワークと乖離しないよう、実務的な視点を重視しました。

技術カリキュラムと評価制度の構築は約半年間かけて立ち上げ、運用をし始めました。


導入後の変化

アシスタントの成長速度が加速

特に1年目〜3年目の技術習得が以前よりもスムーズになり、早期にスタイリストデビューを果たすスタッフが増加しました。

スタッフのモチベーション向上

評価基準が透明化したことで、自分の努力が正当に評価される環境が整いました。その結果、「頑張れば報われる」という意識が全体に広がりました。

離職率の低下

キャリアパスが明確になったことで、スタッフが「長くこのサロンで働きたい」と思えるようになり、離職率が大幅に低下しました。


私自身の学びと喜び

このプロジェクトを通じて感じたのは、「仕組みが人を育てる」ということです。もちろん、現場での指導や個別のケアも大切ですが、明確で公平な制度があってこそ、スタッフ一人ひとりが自分の成長に自信を持てるようになります。

何より嬉しいのは、スタッフたちが自分のキャリアを楽しそうに語る姿を見ることです。

「独立して地元にAKROSを作りたい」

「技術責任者としてグループを支えていきたい」

──そんな目標を口にするスタッフが増えたことが、私にとって何よりの成果だと感じています。


これからの展望

今後はこの仕組みをさらに進化させ、美容業界のモデルケースとなるような教育・評価制度を作りたいと考えています。AKROSでの経験は、社労士としての未来を支える重要な第一歩でした。私たちの取り組みが業界全体に広がり、多くの美容師が「自分の未来に期待できる」環境を作るきっかけになれば嬉しいです。

この経験を通じて得た知見を、今後も多くのサロンに活かし、美容業界全体の発展に貢献していきたいと考えています。

髪西